いじめ総合対策【第3次】下巻_2025_2版
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 外部人材により構成された組織である「学校サポートチーム」を活用し、生徒 A の家庭への支援や、生徒 B や生徒 C への指導について協議することを通して、適切な指導や支援を行うことができた。98いじめの認知と 情報共有生徒Aの支援体制 づくりと、関係 機関等との連携いじめ解消に 向けた対応Aの家庭支援 に向けた対応「学校サポートチーム」の活用生徒への適切な指導 この事例は、生徒 A と生徒 B、生徒 C のいわゆる「力関係」が逆転することで発生した事案である。まず、生徒 B と生徒 C の気持ちに寄り添う。生徒 A には、いじめを行ってよいという理由にはならないことや、いじめを受けて心が傷付いた生徒 A の気持ちを理解させるようにした。また、金銭の要求については、警察のスクールサポーターとも連携しながら、犯罪行為であり絶対に許されない行為であることを指導した。スクールソーシャルワーカーを活用した生徒Aの家庭支援 スクールソーシャルワーカーが生徒Aの家庭訪問を行う中で、生徒Aの母親とも信頼関係を築くとともに、母親から伝えられた生活上の悩み等の相談に乗ることを通して、生徒Aの家庭支援につなげた。学校と家庭の連携により、子供が安心して相談できる環境を構築した。取組の経過概要事例が解決に至ったポイント第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラム教員研修プログラム・ 公園で泣いている生徒Aを発見した教職員は直ちに校長に報告した。・ 校長は直ちに「学校いじめ対策委員会」を招集し、生徒Aに対する行為をいじめと認知するとともに、解消に向けた今後の方策を検討するよう指示した。・ 「学校いじめ対策委員会」が策定した対応方針に基づいて、担任は学年主任と共に生徒Aに聞き取りを行い、生徒Bと生徒Cからの金銭要求の事実確認を把握した。・ 担任と学年主任は生徒Bと生徒Cにも聞き取りを行い、生徒Aに対して金銭を要求したかどうかの事実を確認するとともに、生徒Aに対する思いを聞いた。・ 副校長は金銭要求の事実について、スクールサポーターに連絡した。・ 担任がいじめの事実について生徒Aの母親に連絡したところ、生徒Aの母親は「仕事が忙しく、あまり生徒Aに関わっていない。」と話した。・ 担任から報告を受けた校長は、「学校サポートチーム」を招集し、生徒Aの家庭支援を含めた今後の方策について協議することを依頼した。・ 「学校サポートチーム」での協議を受け、担任とスクールソーシャルワーカーが、交互に生徒Aの家庭を訪問して、学校と生徒Aの母親との関係を築いた。・ スクールカウンセラーが生徒Aと面談を行い、心のケアを行った。・ 担任は、生徒Bと生徒Cに対して、金銭を要求をすることは犯罪行為となることを伝えるとともに、いじめを受けて心が傷付いている生徒Aの気持ちを考えさせた。・ 生徒Aに了承を得た上で、生徒A、生徒B、生徒Cによる話合いの場を設定し、担任同席の下で互いの気持ちを素直に伝え合わせた。その後、生徒Bと生徒Cは謝罪した。・ スクールソーシャルワーカーが、生徒Aの母親が在宅する日中に家庭訪問を行う中で、生徒Aの学校での状況を伝えるとともに、生活上の悩み等の相談に乗りながら家庭支援につなげた。

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