99 生徒Aは、学級委員として活躍するなど、学校生活において、何事にも積極的に取り組み、夏休み前の欠席は1日もなかった。 しかし、9月に入ったばかりの2週間の間に3回、腹痛や気分の悪さを訴え、保健室で身体を休めることが続いた。 担任は、休み時間、生徒Aに、家庭の様子や友人関係などについて聞いたところ、話しづらそうに、「誰にも言わないでください。」と前置きした上で、「最近、仲の良かった生徒Bたちとうまくいっていない気がする。」と話した。担任が「どうして、そう思うの。」と聞くと、生徒Aは、「何となく。」とだけ答えた。 担任は、生徒Aを気に掛けて観察していたが、生徒Aは、教室に戻ると、以前と同じように、授業中に発言する等、意欲的に取り組んでいた。担任は、しばらく様子を見ることにした。 9月下旬のある日の昼休み、担任は、暗い表情をして沈み込み、教室に一人でいる生徒Aに気付いた。担任は、その日の放課後、生徒Aに「何か心配なことがあるの。」と聞くと、生徒Aは、「昨日、生徒Bたちから、SNSに『お前、調子に乗るなよ。ばか。』と書き込まれた。」と話した。第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラム教員研修プログラムSNS等の書き込みからいじめが発見された事例〈事例の概要〉 □ 取組の経過□ 事例からの学び
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