いじめ総合対策【第3次】下巻_2025_2版
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101【被害の子供:小学校第6学年 男子】A教諭は、廊下で プ ロレスごっこをしている6年生男子児童らを発見A教諭は研修会場に向かう路上で、携帯電話から副校長に報告昼休み、学校いじめ対策委員会で協議夕刻、学校いじめ対策委員会で、いじめの判断、対応について協議 新規採用1年目のA教諭(3年生担任)は、午後に予定されている若手教員育成研修会に参加するため、急いで更衣室に向かっている途中、廊下でプロレスごっこをしている6年生の児童B(男子)らの様子を見掛ける。第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラムいじめ問題への対応事例 児 童 B「いてててて。」A 教 諭「どうしたの。」児 童 B(笑いながら)「大丈夫です。」A 教 諭(心の声)「仲よく遊んでいるように見えたし、6年生ってあんなものなのかも… 研修に遅れるわけにはいかない。」A 教 諭(心の声)「やはり、念のため連絡しておこう。」A 教 諭【携帯電話を操作し】「副校長先生、私の思い過ごし副 校 長「昼休みに学校いじめ対策委員会のメンバーを集め、校  長(A教諭の記憶の中の声)「子供の様子で気になることを見聞きしたら、どんな小さなことでも、すぐに学校いじめ対策委員会に伝えてください。」かもしれないのですが、実は学校を出る前に…」私から伝えておきます。」生活指導主任「B君のプロレスの相手は、C君やD君ではないですか。」養護教諭「B君はよく保健室に来るから、この後すぐ、私から聞いてみます。」担  任「私は、B君の保護者に、家で気になることがないか聞いてみましょう。」学年主任「私は、C君とD君に、誰から聞いたとは言わずに、『給食準備中にプロレスをやっていたそうだけど…』と聞いてみますね。」養護教諭「B君は、『何でもない。』としか言いませんでした。」担  任「保護者からは、息子は、最近元気がなく、『C君やD君と遊びたくない。』と言っていると聞きました。保護者に『電話いただきありがとうございました。』と言われたので、A先生がはじめて気付いたことを伝えました。」学年主任「C君も、D君も、ふざけているだけと言っていますが…」校  長「B君が悩んでいることが分かりました。学校としていじめと認知します。では、これからの対応について考えていきましょう。」1 教員が小さなトラブルに気付きいじめを発見した事例いじめ問題への対応事例第 3 章

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