102【被害の子供:小学校第2学年 女子】学級のグループごとに、みんなで遊ぶ内容について話合い児童Aの保護者は、担任に子供が泣いて帰ってきたと訴え学校いじめ対策委員会で、いじめの認知、対応について検討担任から児童Aの保護者へ電話で連絡担任・学年主任が児童Bの保護者と面談担任から児童Aへの声掛け担任から児童Bへの声掛け 児童A(女子)、B(男子)、C(男子)らは、学級でみんなで遊ぶ内容を話し合っていた。児童Bは意見を言わない児童Aに、「意見を言いなよ」と促したが、児童Aは泣き出してしまった。第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラムいじめ問題への対応事例 児 童 C「何で遊ぶか決めよう。ドッジボールがいいな。」児 童 B「Aさんも黙っていないで何か意見を言いなよ。」児 童 A「………」(うつむいて涙ぐむ。)保 護 者「B君に言われたことで、学校に行きたくないと言っています。いじめではないでしょうか。」担 任「傷付いて帰ったことに気が付かず、申し訳ありません。すぐに学校いじめ対策委員会に伝え、対応を検討します。その結果を改めて本日中に連絡します。」保 護 者「うちの子が、いじめの加害者ということですか。」担 任「そうではありません。B君は優しいのでAさんにも意見を言ってほしいと思い、声を掛けたのだと思います。ただ、AさんはB君の言葉に傷付いてしまったようです。私から、AさんにB君の優しさを伝えます。」学年主任「B君は好意で言ったのだと思いますが、Aさんがつらいと感じているのだからいじめということですよね。」担 任「しかし、B君の言動をいじめというと、トラブルになってしまう可能性もあります。」生活指導主任「Aさんが傷付いていることは確かなので、いじめと認知して解決しなければなりません。しかし、B君にはいじめという言葉を使わないで話をしましょう。」担 任「学校は、いじめとしてしっかりと対応します。B君にAさんが傷付いてしまったことを気付かせ、今後の言動について気を付けるよう話をします。Aさんが安心して学校に通えるようにしたいと思います。」担 任「つらい思いをしていたのに気付いてあげられなくてごめんね。B君には、Aさんの気持ちを分かってもらえるように先生から話をするから心配しないでね。」担 任「B君はみんなに優しく声を掛けていますね。先生はそんなB君が大好きです。実は、Aさんのことで一緒に考えてほしいことがあるのだけれど……。」2 悪気のない言葉で、相手を傷付けてしまった事例
元のページ ../index.html#104