103【被害の子供:高等学校第2学年 女子】生徒Aの欠席について保護者が担任に電話で連絡担任がバレーボール部顧問に部活動内のいじめについて確認学校いじめ対策委員会での協議担任とバレーボール部顧問がバレーボール部員一人一人に聞き取り学校いじめ対策委員会で今後の対応について協議 生徒A(女子)は、バレーボール部に所属し、積極的に活動していたが、同じチームの生徒B(女子)たちのミスを厳しく指摘することが多く、次第に仲間から疎まれ無視されるようになった。第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラムいじめ問題への対応事例 保 護 者「娘がバレーボール部のBさんたちからいじめられているようです。『もう学校に行きたくない。』と言っています。何があったのでしょうか。」生 徒 B「いじめられているのは、むしろ私たちの方です。Aさんはよく『やる気がないなら、やめちゃえば。』と言ってきます。特に私はミスが多いので『何度同じこと言わせるの。もういい加減にして(強い口調で)。』と言われて、トイレで泣いたこともありました。」生 徒 B「………」(涙ぐむ。)担 任「Aさんが、つらい思いをしていたことに気が付けず申し訳ありません。すぐにバレーボール部の顧問に確認して、本日中に御連絡します。」顧 問「Aさんがいじめを理由に休んでいるんですか。私が見ている限りでは、Aさんの方がBさんやほかの部員にきつい言葉を掛けているように思いますが…」担 任「本当ですか。状況は複雑かもしれませんね。すぐに学校いじめ対策委員会に報告して、対応を検討してもらいましょう。」顧 問「Aさんはバレーボールの経験が長いから、ついきつく言ってしまうのかもしれないね。」担 任「それで、みんなで無視して仕返ししようとしたのかな。」顧 問「Bさんの気持ちはよく分かります。これはいじめには当たらないのではないでしょうか。」生活指導主任「いや、Aさんが傷付いていれば、いじめに該当します。これは、AさんBさんがそれぞれいじめの被害者でもあり加害者でもある事例です。」担 任「分かりました。少しでも早くAさんと話をした方が良いと思うので、これから家庭訪問をします。その上で、Bさんたちと話し合うことを勧めてみます。」顧 問「それでは、私は、Bさんの保護者に電話してこのことを伝えます。」※ 伝える内容等については、上巻 60 ページ「具体的な取組 ◎ いじめの程度に応じた対応(例)」を参考に検討する。3 両者がいじめの被害者でも加害者でもある事例
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