いじめ総合対策【第3次】下巻_2025_2版
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早期発見第4部いじめをしない、させない、許さないための意識の醸成互いの個性の理解規範意識の醸成保護者プログラム望ましい人間関係の構築いじめ問題への対応事例教員研修プログラム地域プログラム教員研修プログラムねらい◯ 学級担任任せにするのではなく、全教職員が全児童・生徒の指導に責任を有しているという意識の下、組織的に児童・生徒の状況を観察するとともに、情報共有によりいじめを早期に発見する。取組の内容例情報共有の取組例【校舎内外の巡視】 ・ 登下校、休み時間、清掃時間、放課後等に、複数の教職員でチームを組んで校舎と校庭の巡視を行い、教職員は、児童・生徒に積極的に声を掛ける。一人でいるなど様子や態度が気になった児童・生徒については、周りの子供から聴き取り、記録簿に記入し、担当学年に報告する。88【事例の概要】 当該生徒に対し、中学校2年生から部活動のグループや同級生からの暴行や金銭強要が繰り返し行われていた。担任教諭は加害生徒に対して、注意を促す、握手をさせるなどの指導を行うだけであった。3年生になり、欠席や遅刻等が多くなったが、担任は、本人や保護者から話を聞くこともなく、「学校いじめ対策委員会」に報告しなかった。 9月になり、集団から暴行を受けた後、学校を無断で欠席したことから、被害生徒の保護者が暴行の事実を知り、加害生徒とその保護者との話合いがもたれた。【教員同士・保護者・地域住民等による情報交換】 ・ 毎週、「学校いじめ対策委員会」において、校長、副校長、主幹教諭、養護教諭、スクールカウンセラー及び学年主任で情報交換を行い、早急に対応が必要な児童・生徒への対応策を協議し、一つの事象にとらわれず、いじめの全体像を把握する。また、保護者、地域住民、警察及び福祉等の関係機関に対して、子供たちの様子で気になることがあったら、どんな小さなことでも遠慮せずに学校に通報してもらえるよう、保護者会や「学校サポートチーム」の会議等の際に、保護者、地域住民、各関係機関等に依頼する。【生活情報ファイル】 ・ 電子データによる全児童・生徒のファイル等を作成し、情報を得た教職員は、管理職に報告し、随時情報を記入する。学級担任、教科担任、養護教諭、部活動顧問はもちろんのこと、事務職員なども気に掛かる児童・生徒の様子を記録・報告する。○ 継続して取り組むべきことは何か、現在の情報共有の方法に課題はないかについて確認する。「いじめ問題に関する研究」(平成 26 年2月)34 ページ〜 38 ページ参考東京都教職員研修センター 平成 26 年2月研修8 いじめの早期発見のための情報共有1 情報共有の重要性を理解する。○ いじめへの対応が遅れて、深刻な事態に至った事例を挙げて、情報共有の重要性を確認する。2 校内で実践している情報共有の方法を確認する。3 取組の実施による成果や課題について話し合う。

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