じたいいじめは、子供の生命や心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼすものであり、絶対に許されない行為である。学校は、いじめはどの学校でもどの子供にも起こり得るとの認識の下、教職員が組織的に対応することが重要である。加えて、保護者、地域住民、関係機関等との緊密な連携により、いじめ問題に正面から対峙し、これを解決に導いていかなければならない。 東京都内の全ての公立学校は、「いじめ防止対策推進法」を踏まえ、以下の6点のポイントを念頭に、いじめ防止対策を推進していく必要がある。14 第 1 部○ 行為を受けた子供が心身の苦痛を感じている場合は、「いじめ」に該当するという「いじめ」の定義に基づき、学校として確実にいじめを認知することが不可欠である。○ 全ての教職員が、「いじめ」の定義を正しく理解し、いじめの件数が多いことは問題であるという誤った認識を払拭し、一人一人の教職員の鋭敏な感覚により、どんな軽微ないじめをも見逃さずに、これを的確に認知していく。○ 軽微な段階でいじめを解決に導くためには、学級担任等が気付いた子供の気になる様子や子供同士のトラブルについて、学校が迅速かつ組織的にその状況を確認し、適切な役割分担により対応を行うことが不可欠である。○ 「いじめ防止対策推進法」の規定により、全ての学校に設置されている「学校いじめ対策委員会」の役割を明確にする。教職員は、この委員会への報告・連絡を欠かさずに行うことにより、あらゆるいじめに対して、教職員が一人で抱え込むことのない組織的な対応を実現する。○ 被害の子供が、「大人に伝えたら、もっといじめられる」と考えたり、周囲の子供が「自分もいじめの対象になる」と考えたりするなど、いじめについて大人には相談しづらいという状況を改善するため、学校・家庭・地域が連携して、「子供が安心して相談できる環境」を構築していくことが必要である。○ 子供からの訴えを確実に受け止め、相談した子供が安心して学校生活を送ることができるようにするため、日常から、子供の不安や悩みに対して、スクールカウンセラー等を含む全ての教職員が、いつでも相談に応じる体制を整備するとともに、子供からのSOSを受け止める力を高める。これらのことにより、子供が教職員を信頼して相談できる関係を築いていく。- 8 - ポイント1 軽微ないじめも見逃さない ポイント2 教職員が一人で抱え込まず、学校組織全体で一丸となって取り組む ポイント3 相談しやすい環境の中で、いじめから子供を守り通す ≪教職員の鋭敏な感覚によるいじめの認知≫ ≪「学校いじめ対策委員会」を核とした組織的対応≫ ≪学校・家庭・地域の連携による教育相談体制の充実≫ いじめ防止の取組を推進する第 1 章6点のポイント第1章 いじめ防止の取組を推進する6つのポイント
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