早 期 発 見第1部未 然 防 止早 期 対 応重大事態への対処 ○ 子供が教職員に直接訴えられるようにする環境づくりが最も大切であることを前提としながら、あくまでもいじめ把握の手だての一つとしてアンケートを実施する。 ○ 教室で行うアンケートでは、担任には知られたくないなどの心理が働く子供もいることを、十分に理解した上で実施する。 ○ 記名式アンケートに何かを記載してきた子供がいた場合、教員は、その子供への対応に終始しがちである。むしろアンケートに書くことができずに悩んでいる子供の中に、深刻な事例があるかもしれないと捉え、全体に対する丁寧な観察を欠かさないようにする。 ○ 「学校いじめ対策委員会」で、アンケートの実施方法やその後の対応等について、十分に検討して、全教職員の共通理解の下に実施する。 ○ アンケートを実施した後、その結果について、「対策委員会」等で教員やスクールカウンセラーが、実態把握や対応の在り方を協議する。 ○ 小さないじめの芽を把握するために、何がいじめに当たるのかを子供にしっかりと指導し、考えさせてからアンケートを実施する。 ○ 子供が真剣に取り組めるようにするために、発達の段階を考慮し、アンケートの趣旨について指導してから実施する。 ○ アンケートは、いじめを受けている子供を守り抜くために行うことを、実施前に子供たちに明確に伝える。 ○ アンケートに記載した場合には、学校は記載した子供の気持ちを踏まえて丁寧に対応することを、事前に伝えるなどして、子供が安心して、いじめ等の事実を記載できるようにする。 ○ 質問項目は、「何か困っていることはありませんか。」、「(困っていることがある場合は、)誰に相談したいですか。」、「(相談したい相手を記入した場合には、)よかったら、連絡先(氏名等を含む)を書いてください。」などとし、子供にとって抵抗のないものに工夫する。 ○ 「友達のことで、見たり聞いたりしたことがあれば書いてください」等の項目を設定する。 ◆ アンケートの実施のみをもって、確実にいじめを把握できるものではないことを理解する。 ◆ 教職員の子供の変化等への気付きから、いじめを発見することが最も大切である。 ◆ 記載がなければ、いじめはないと考えてはならないことに留意する。 ◆ アンケート結果に基づく対応等については、経緯及びてん末を記録し、適切に保存する。 ◆ アンケートが、教員の都合で実施されているという印象を、子供に与えてはならない。アンケートを実施するに当たっての、環境づくりが大切である。 ◆ その時には書けなくても、後日、自分や友達の状況について、教職員に相談に来られるような工夫が必要である。 53アアンンケケーートト 有有効効活活用用のの視視点点 記記名名式式、、無無記記名名式式、、一一人人11台台端端末末をを活活用用ししたたアアンンケケーートトののメメリリッットト、、デデメメリリッットト等等 ○ 記名式と無記名式とでは、それぞれに長所と短所がある。学校や学年の実態によって、方法が異なる具具 体体 例例 留留意意事事項項 実施の意義と 限界の理解 1 教職員の 共通理解 2 子供の 意識啓発 3 4 質問項目 こともあり得るので、どちらがよいかを一律に論じることはできない。 ○ 児童・生徒からいじめの実態を聴き取ることを目的とするのであれば、無記名で実施する方がよい。教員が、「名前を書いても良い」と補足する方法などが適切である。 ○ 児童・生徒が正直にアンケートに記載することができるようにするために、例えば、家に持ち帰って、後日封筒等に入れて提出する方法なども考えられる。 〇 一人1台端末を活用して、アンケートを実施する際には、児童・生徒の回答結果を、他の児童・生徒が確実に閲覧できないように配慮しなければならない。 〇 定められた期間は確実に保存しなければならないため、データが削除されることがあってはならない。 〇 手書きのアンケートにおいて、回答以外に描かれている絵等や筆跡など、いじめの芽に気付くことができる場合もある。 アンケートを作成する際には、子供がアンケートの重要性を考えて回答できるような内容にする。選択式で容易に終わらせられるものだけでなく、友達との関わりやいじめについて考えて回答する内容となるよう工夫する。 【アンケート実施に際しての配慮】 ●● アアンンケケーートト有有効効活活用用のの視視点点とと具具体体例例 ● アンケート有効活用の視点と具体例
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