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無視されたり悪口を言われたりし続けて…。

下校時の学校。

ともこ「よし、帰ろう」

あすかとみか「よいしょ よいしょ!」2人で大きな段ボール箱を運んでくる。

ともこ「手伝うよ!」

ともこを押しのける、あすか、みか。 あすか 「じゃまじゃま!どいて」 みか 「忙しいから近寄らないで!」

教室に立つ、ともこ。

あすか、みかの後ろ姿を見送る、ともこ

ともこの心の声「私、なにか悪い事したのかな……」

目線を移すと、数名の女子生徒が、ともこの方を見て、聞こえよがしにヒソヒソ話をしている。 数名の女子生徒「あいつ自分のこと、わかってるのかな?」「いらいらするよね」 

ともこ、それを聞いてドキッとする。 

ともこのほうを見てニヤニヤしながら話し続ける女子生徒たち。 数名の女子生徒「やだ、こっち見てるし」「マジキモイ」 

ともこの心の声「え……何……私のこと?」 

スクールカウンセラー相談室のポスター。「一人で悩まないで!どんな小さなことも相談に乗ります!」と書かれている。

ポスターを見ている、ともこ。

下駄箱の間を歩いている、ともこ。

ともこが下駄箱を開けると、靴の上に小さなメモ用紙が置かれている。

メモ用紙には「死ねよ バーカ!!」の文字。

メモを持って立っている、ともこ。

しゃがみこんで顔を覆って泣き出す、ともこ。

読者の皆さんへの問いかけ「こんな時、あなたならどうしますか?」

相談室にて。

スクールカウンセラー「これまでよく我慢しましたね」

ともこはスクールカウンセラーと向かい合って座っている。 ともこ「うううう……」

スクールカウンセラー「つらかったでしょう。勇気を出してよく話してくれましたね」

涙を流しながら話す、ともこ。 「でも、先生には絶対に言わないでください。チクったってみんなに思われたら、 もっといじめられるから……」 

スクールカウンセラー「大丈夫ですよ。学校は先生たちみんなであなたを守ります」

スクールカウンセラー「あなたから相談があったことは、絶対に他の生徒たちには知られないようにします」

スクールカウンセラー「大丈夫、学校を信じて!」

会議室にて。 スクールカウンセラー「ともこさんは、これまで誰にも相談できずに一人で悩んでいたようです」

校長、副校長、学年主任、生活指導主任、担任、養護教諭、スクールカウンセラーが会議机を囲んでいる。 スクールカウンセラー 「彼女に申し訳なく思います」

スクールカウンセラー「また学校に相談したことが他の生徒に知られてしまうことを、とても恐れています」

別の先生「なるほど」

一枚のメモ用紙を手に取る校長。そこには「死ねよ バーカ!!」と書かれている。

うなずいて、顔を上げる校長。

校長 「わかりました。力を合わせて彼女を守りましょう」

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