ページの先頭です

文字サイズ

配色

トップページ > 匿名(とくめい)でつぶやいていたら…。

ここから本文です

匿名(とくめい)でつぶやいていたら…。

夜、あきらの家。パッと灯りがつく。 あきらは自室でスマートフォンを見ている。 あきら「たくみがまた、算数の問題解けなくて笑われていた、っと」 SNSにあきらの書き込みが投稿される。 SNSの「いいね」マークの部分に「2人が『いいね』を押しました」という表示が現れる。 あきら「もう2人の『いいね』がついた」 あきらの心の声「そうだ、あれも投稿しちゃおう」 SNSのあきらの書き込み「ウチのクラスの指揮者、ななみっていうんだけど、なんか動きが変で笑っちゃう。」 あきら「ひま。なんか面白い書き込みないかな」  何かに気が付くあきら。 あきら「みゆき……?このみゆきってアカウントの子、顔写真加工してるけれど」 あきら「同じクラスのみゆきじゃないか?」 あきら「あいつもこのSNS使っているんだな……」 あきら「もういいや、動画サイトでも観るかな」 昼間。 休み時間の学校の教室にて。 みんながあきらの方を見ながらヒソヒソ話をしている。 あきらの心の声「変だな、なんだろう……今日はみんなに避けられているような気がする……」 チラっと周囲を伺う、あきら。 あきらの方を見ながらヒソヒソ話をする女子。 あきらの方を見ながらヒソヒソ話をする男子。 あきらの心の声「今日はみんなに避けられているような気がする……」 ヒソヒソ話の声「昨日の『いいね』ってさ……うんうん間違いないよ」 振り向くあきら。 あきら「え? 今『いいね』って聞こえたけど」 あきら「まさか……」 夜、あきらの自宅にて。 あきら「やっぱりそうだ……」 あきら「みゆきのSNSの投稿に僕が『いいね』を押したから、そこからみゆきが僕のアカウントを見つけて」 あきら「それで僕が投稿してたクラスの悪口がみんなにばれたんだ」 あきら「どうしよう……」 別の日。 休み時間の教室で。 ヒソヒソ話の声「あとはあのグループで話すね」 ヒソヒソ話の声「ありがと」 あきら、一人で席に座っている。 あきらの心の声「どうしてあんな悪口を投稿したのかうまく説明できなくて」 あきらの心の声「やがて何もかも面倒になって……」 あきらの心の声「学校に来ることさえどうでもよくなった」 読者の皆さんへの問いかけ「考えてみましょう。どうしてあきらはクラスメイトの悪口を投稿したのでしょうか」
ページトップへ